『ソクラテス以前の哲学者』 廣川洋一(著) 講談社学術文庫 1997
ソクラテス以前の哲学者――その思想
「ソクラテス以前」について
「今日残されているあるていど信頼しうる断片のかなりの量がアリストテレスの収集に依存する」
「先達の学説見解を組織的に収集したのは、ギリシア哲学史において、アリストテレスが最初であった」
「アリストテレスによって、先人の業績に注目することの意義がはじめて自覚され、彼等の業績がはじめて組織的に収集された意味はきわめて大きいといわなければならない。」
しかし、
「ソクラテス以前の哲学者たちにアリストテレス流の解釈の枠組みが強固にはめ込まれたことを、なによりも指摘しなければならない。」
「ソクラテス以前の哲学者たちを「自然学者」ととらえ(Metaph.989b,990a,1059b)、この種の自然学を省みず、もっぱら人間の問題、倫理の問題に専念した最初の人としてソクラテスを挙げ(Metaph.987b)、プラトンがこれを継いだ(Metaph.1078b)という、ギリシア哲学史の大きな枠組みは、アリストテレス自身に由来するものだった」
「アリストテレスにおいて、自然学は、「運動と静止の原理をそれ自身のうちに含んでいる自然的存在、運動変化する自然界の個物を対象とする」(Metaph.1025b)、とされている。この学は、独立、不動、永遠な実在、神的な存在、存在そのものを対象とする、つまり、存在をただ存在として研究する第一の哲学にたいして、存在としての存在をではなく、運動に与るものとしての諸存在の研究をなすもの(Metaph.1061b)として、第二の哲学とも呼ばれている。」
しかし、
「このような自然学理解の視点から、ソクラテス以前の哲学者たちを「自然学者」とすることは正しいことではないように思われる。」
哲学の先駆者たち
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パルメニデス
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